「キリスト教は『愛』や『ゆるし』を大切にしているはずのに、どうして戦争をするの?」と思う人もいるかもしれませんね。でも、実は「宗教戦争」と呼ばれるものの多くは、宗教だけが原因ではないんです。
例えば、16世紀から17世紀にヨーロッパで起こった宗教戦争は、表向きには「宗教の違い」が理由とされていました。でも、本当は国と国が力を比べたり、土地を取り合ったりするための戦いでした。
今でも「宗教が原因」とされる争いがありますが、それも多くの場合、土地やお金をめぐる争いや、民族同士のけんか、政治家たちの思惑が大きく関わっています。また本来は民族や人種がおもな原因の紛争の場合、本当の原因だけを主張しても世界から注目してもらえないため、「宗教の違いが原因で自分たちは仕方なく戦っている」と主張することで、同じ宗教の人々から援助を期待することもあるようです。
とはいうものの、たしかにすべてのクリスチャンが「愛」や「ゆるし」を完璧に守れているわけではありません。人間は誰でも間違えることがあります。そして、時には自分勝手な考えや間違った正義感が、キリスト教の教えよりも優先されてしまうこともあります。その結果、信仰が誤って利用されることもあります。でも、これは本当のキリスト教の教えとは違います。
キリスト教は、すべての人が愛し合い、助け合うことを目指しています。それがいつもできているわけではないのは、とても残念なことです。けれども多くのクリスチャンが日々努力しているのも事実です。この教えをもっと多くのクリスチャンが正しく理解し、実践できるようになることを願っています。
