イコン

イコンとは、おもに東方正教会(ギリシャやロシアなど、東ヨーロッパの伝統的なキリスト教の教会)で大切にされている、一定の様式でイエス・キリストや聖母マリア、聖人たちを描いた宗教画です。独特な画風なので、現代人は好みが分かれると思います。けれども2000年近くにわたり、数え切れない人々の魂に深い影響を与えてきたものです。カトリックや一部のプロテスタントの教会でもイコンを用いることがありますが、特に東方正教会では、信仰生活に欠かせないものとして受け継がれてきました。


イコン「ウラジーミルの聖母(生神女)」。
少なくとも12世紀よりロシアに伝わる。
世界的に最も有名なイコンの一つ。


イコンは、単なる美術品ではありません。東方正教会の伝統では、イコンは「目に見える祈り」とされ、祈る人と神を結びつける大切な役割を果たすものと考えられています。イコンを通して、神の存在をより身近に感じることができるのです。

ただし、イコンそのものに特別な力があるわけではありません。 イコンはあくまで、神や聖人の姿を描いたものをとおして、神の恵みを思い起こすための助けとなる補助手段です。たとえば、家族や大切な人の写真を見ると、その人のことを思い出したり、心が温かくなったりすることがありますよね。同じように、イコンを見つめながら祈ることで、神の存在をより意識しやすくなるのです。

もし可能ならば、家の中に小さな祈りの場所を作ってみるのもおすすめです。お気に入りの静かな場所を選び、そこにイコンを飾ってみてください。そしてイコンの前で静かに心を落ち着け、神に祈る時間を作りましょう。

たとえば、

  • 「神よ、どうかわたしと家族を守ってください。」
  • 「今日も一日、見守ってくださってありがとうございます。」
  • 「心が不安でいっぱいです。どうか、力をください。」

このように、イコンの前で神に語りかけるように祈ってみると、自然と心が穏やかになるかもしれません。言葉が出てこないときでも、ただイコンを見つめながら静かに過ごすだけで、神の平安を感じることができるでしょう

イコンの複製は、キリスト教の専門店やカトリックの書店、またはインターネットでも購入できます。 木製のものや紙に印刷されたもの、小さな卓上用の置物タイプなど、さまざまな種類があります。自分が気に入ったイコンを見つけ、祈りの助けとして活用してみてください。

イコンは、神を身近に感じるためのひとつの手段です。ぜひ、イコンを通して、日々の生活の中で神とのつながりを深めてくださいね!

頒布用のイコンを紹介している、日本正教会のページ

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